悪口おばさん
少し前のこと、友人3人で飲みに行ったときの話です。
私はお酒を飲まないので、はじめから最後までシラフでした。
友人の一人が、ジムに通っている時の話をしはじめました。
自分は初心者だから遠慮をして、いつも後ろの方でやっていたのだけど、
本当は自分も前でやりたいのだと話してくれました。
そして、いつも列に並びもしないで、当たり前のように最前列に行って、
どや顔で踊っている人がいて大嫌いだと、延々とその人の悪口を言っていました。
私は何年も前から彼女を知っていましたが、いつも大人しく、
遠慮がちで優しい物腰の人だと思っていたので、
人の悪口をこれほどまで言う人だとは思っていませんでした。
よほどうっぷんがたまっていたのだろうなと思います。
彼女の話を聞いていると、怒るも当然だと思うことばかりでした。
私の通うジムにもそんな人は何人もいます。
正直私もムカっと来たことはあります。
せっかく並んで気に入った場所を確保したのに、その場所を取られてしまったことは、数知れずあります。
ひどいじゃないですかとは言えないので、一歩下がって場所を明け渡すのですが、腹の虫はおさまらないです。
でも、最近はその人が皆に嫌われていて、あちこちで悪口を言われていて、
知らないのは本人だけだということがわかり、なんとなくあわれに思えてきて、
許せるようなりました。人を許せると気持ちが楽になります。
さて、お酒が入ったところで悪口おばさんになってしまった友人を見て、
母が病気モードに入った時と似ているなと思いました。
調子がいい時の母は、いつも人への感謝の気持ちを忘れずに、
礼をこれでもかというほど尽くす人です。
忠誠心も強く、お世話になった人への恩をいつまでも忘れずに返す人です。
そんな母が、人の悪口を言い続けるのは、お酒に酔った友人のように、
何か脳にある鍵が外れてしまった時なのかなと思うのです。
悪口というと人聞きが悪いですが、言っていることはあながち間違いではなく、
むしろ正論の場合が多く、本音という事がほとんどです。
お酒を飲まずにそうなることがとても不思議ですが、
何か嫌だなと思った事に対して、人はそこから何かを回避して、自分を守ろうとしている、
ある意味防衛反応なのかもしれないと思いました。
人は認知症になっても、自分を守ろうと必死に生きているのかもしれません。
それとは反対に、静かに安らかに死へ向かおうとしている、そんな気もしてきました。
その母の奥底にある希望を、これからの時間で見つけ出し、できる限り叶えてあげたいと思います。
ちなみに、この湯呑み茶碗、インターネットで取り寄せたものです。
母がこれでいいと言ったので、少しサイズが大きいけどいいの?
と念を押したのに、届いてみると大きすぎると、一日中ケチをつけていました。
お母さんが気に入らないのなら私が気に入ったからもらうね。
と、私が愛用することで悪口がおさまりました。
お茶を飲むもよし、コーヒーを入れても良しで、とても気に入っています。
もう一つ欲しいくらいです。
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コメント (1)
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素敵なお茶碗、お母様お気に召さなかったのですね
2018年2月12日 11:11 きんぎょ (5)
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