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接点洗浄と劣化部品の交換

写真: 接点洗浄と劣化部品の交換

写真: Sansui D907F Extra (1981年製) 写真: ご無沙汰しています

回路図を入手して読み砕き、劣化している
部品を丁寧に交換して行きます。

交換部品の一部 D907F Extra (1981年製)

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このD907F Extra及びD907Fは、日本のオーディオ黄金期である80年代初頭に登場した当時同社のフラッグシップアンプで、量産機では非常に稀なフィードフォワード回路とサンスイ伝統のダイアモンドバッファ回路を搭載しています。大型高級電源トランスを用いた各ch独立6電源、電源ブロックコンデンサは同サイズながら中低音用と中高音用でエッチング倍率を変え、容量の異なる大型のものを計8本と贅沢な構成となっています。パワートランジスタも高性能で振動抑制効果の有る高価な品が採用されています。またD907F Extraではフィードフォワード出力段がパワーMOS FETにアップグレードされています。

D907F Extra, D907Fと後続のD907G, D907G Extraまでが±70Vもの電源を用いた高電圧機で、その後のD907X以降はずっとバランス接続の低電圧機となりました、両者は良し悪しではなくその音の方向性に違いがあります。D907F Extra, D907Fのメイン出力段はAB級動作、フィードフォワード出力段はA級動作で、片ch当たり2個別種のSEPP出力段を持った非常に贅沢な回路構成です。アナログレコード再生用のEQアンプもとても本格的なディスクリート式DC構成で、Extraでは更にタムラ製の高級パーマロイコアMCカートリッジ専用ステップアップトランス(インピーダンス切換付き)を搭載しており、Orutofon SPU/MC30やDENON DL103/305が使えます。何れもアナログレコード主流時代の最後を飾る逸品となっています。

しかしなにぶん古いアンプですから、整備状態次第で音質や寿命が大きく変わります。内部の十分な清掃と各ボリューム・スイッチ・リレーの接点洗浄(スピーカーB用リレーは交換品がもう有りません)、ハンダクラックの修理、BIAS及びDCバランス調整は必須です。寿命部品である電解コンデンサの交換も安心材料ですが、単純に現行のオーディオ用普及タイプのニチコンMuse-FG, Muse-ESに全数交換すると、現代的なクリアで力のある音になりますが、本機の特徴である豊かで広がりが有り、上品で瑞々しい中高音の伸び、そしてプレゼンスが壊れてしまいました。下手に交換するなら故障品を除き電解コンデンサは未交換の方が良いです。FETやトランジスタ等の半導体はノイズが無くBIAS等が調整可能な範囲なら交換不要です(別型番への交換は、音が出るだけでなく音質を担保するには回路全体の再検討を要します)。整備内容には十分留意して購入されて下さい。

当時サンスイ社内の音決め調整室のスピーカーは、38cmの軽量振動板ウーハーと高性能ホーンツイーターを持つ高能率2ウェイ・97dB/WのJBL4320でした。細かい聴き分けの可能な本格的な音創りの為のスピーカーです。この他にオーディオ評論家の先生宅での視聴結果等も参考に最終的な音決めされました。私は英BBCモニターの流れを汲むスピーカーが好きで、良し悪しではなくJBL4320とは音楽表現がだいぶ異なります。大変魅力的な回路内容を持つD907F Extraを、BBCモニター系のスピーカーに合わせ込みたいと思いました。しっかりと音質整備をする為、D907F Extraを3台・D907Fを1台入手し、部品無交換機と比較しながら少しずつチューニングしました。

数か月に及ぶコンデンサ交換・測定・エージング・ヒアリング調整の結果、UTSJ・UTES・UPZ・Silmicを中心に少量のUTWRZ・Muse-FGを回路部位に応じて用い、若干の定数変更を行う事で、英BBCグレード1モニターであるRogers社PM510(LS5/8)や同社Studio5、古いKEF等を豊かに上品に鳴らせるようになりました。電解コンデンサは低ESRや解像度だけに固執せず、超高域寄生発振等の問題が無い事を確認しつつ、鳴らしたいスピーカーと回路部位に合わせて視聴を繰り返して選択する必要が有ります。メーカーと異なり対象スピーカーと音楽ジャンルが絞り込まれる個人なら、資質の良いアンプのチューニングは可能です。

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タグ: D907F F5.6 FA50 K-7

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コメント (2)

  • kei

    知識も技術もないと〜〜

    小さなアンプから大きなダムまで・・

    2018年3月25日 16:21 kei (110)

  • 寂夜

    keiさん

    ダムは分りませんよw、せいぜい発電所まで。
    電気が絡まないとダメなんです。回路図ラブ!

    2018年3月25日 19:20 寂夜 (15)

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